25.11.08-09 今年の常磐祭は、「夏合宿で赴いた金沢から福井にかけての建築のなかから印象に残ったもの5点を再現した建築展」、略して「金?福?展」。制作のペースがゆっくりで、今回はさすがに間に合わないのではないかと危惧していましたが、何とかぎりぎりで完成させ、展示に漕ぎ着けました。まず金沢の代表として、2022年開館の「石川県立図書館」（設計：仙田満）。1/80スケールで、3層にわたる本に囲まれた内部空間を緻密に再現しました。スキップフロアの闘技場のような空間を取り巻く膨大な数の本棚に圧倒されます。福井の代表は、おそらく福井最大の集客施設でもある「福井県立恐竜博物館」（設計：黒川紀章）。模型は2つに分けて表現し、まず一つは恐竜博物館の全貌が分かるように、エントランスから恐竜ドームまでを切断した断面模型を1/300で作成。そしてメインの展示会場である恐竜ドームを1/100で作成し、恐竜の化石とジオラマに彩られた展示の様子まで含めて再現しています。残りの3つは建築の外観を再現。一つは、様々なからくりを展示するこじんまりとした博物館である「大野からくり記念館」（設計：内井昭蔵）。曲線を主体とした独特の建築を1/100で表現しています。二つめは、能美市にある「九谷焼美術館 浅蔵五十吉記念館」（設計：池原義郎）。斜面地に建つからこその特徴的なアプローチと、シンプルながら端正な建築を1/200で制作。三つめは、福井市内の「福井県立図書館」（設計：槇文彦）。水平面と垂直のボリウムのバランスが印象的な建物全体を1/400で作成しています。いずれも細かく丁寧な作品となり、展示のバランスもよかったと思います。まったく予期していなかった実践桜会賞を受賞することができました。 （→詳細はこちら）
