国文学マーケティングプロジェクト
<指導教員>深澤 晶久
<発表日時>2024年1月11日
<発表場所>オンラインプレゼンテーション
日本文学との関わりの深い企業を実際に訪問調査することを前提に、学生が事前学習として主体的に企業について研究すると共に、視察に関しては企業経営者からの講話など、企業の現場での体験をもとに、国文学を学ぶ学生ならでは視点で企業を見つめ、今後の社会人としての活躍のための力を習得する。
本科目は、2020年度開講科目であり、国文学とマーケティングの結びつきを学ぶ新しい視点を有する講座となる。作年度と同様、叶匠寿庵と資生堂パーラーを連携企業としており、本申請は滋賀県大津市にある叶匠寿庵本社視察に関する活動活性化の申請となる。
また、本講座は、国文学科の入試対策として、すでにオープンキャンパスなどで、その内容を幅広く告知している。
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2023年度

国文学科の学びとビジネスを結び付けるという全く新しい視点でスタートした「国文学マーケティングプロジェクト」の最大の山場に位置付けた視察研修、4回目を迎えた。
叶匠寿庵様は、本年も本学への対応について、芝田社長をはじめ多くの社員の方からは最大限のご配慮とおもてなしをいただき、意義ある時間となった。商品名、広報誌、そして包装紙など、様々な部分に万葉集とのつながりがあるなど、国文学と現代企業に極めて深い関係性を再認識するなど、当該科目で目指した学びへの進化に繋がった。
【各学生の声】
●現地でお会いした社員の方々は、私たちを温かく迎えて下さいました。皆さんの表情は柔らかく、心から楽しんで働いていらっしゃることが伺えました。社員の方同士で冗談を言い合う姿や、上層部の方とも楽しそうにお話されている光景を何度も目にしました。社内の風通しがよく、アットホームな雰囲気の温かな職場であることが容易に想像でき、働きやすそうだと感じました。自然豊かな寿長生の郷を訪れ、温かな社員の方々のお話を伺ったことで、叶匠寿庵さんの美味しいお菓子の原点に触れられたように感じました。
●今回この授業を受けて、国文学をマーケティングに活かしている企業があることを知ることができたことがまず私にとっては大きかったです。専門性を活かすとなると教員くらいで、ほとんどの国文学生は一般企業に就職しますし、おそらく私もそうだろうと思っていました。一般企業に入っても大学で学んだ国文学の専門知識が活かせるかもしれないと知ることができて、企業選びの一つの基準にもなりました。また、国文学がマーケティングを学ぶきっかけにもなりました。マーケティングと聞くと身構えてしまい、今後のために必要な知識だとは分かっていながら積極的に学ぼうとはしてきませんでした。しかし今回、資生堂や叶匠寿庵の国文学を活かしたマーケティングの講義を聞き、また寿長生の郷を訪れて興味を持ちました。
●本年度の授業を受講し、どんな会社や企業に就職したとしても一番大切なことは自分の心持であると感じた。とくに、叶匠寿庵寿長生の郷に訪問させていただいて、実際に働いている方の温かさに触れてそのように感じた。ただお菓子を作って売るということをするのではなく、農作や動物を育てるなど関わるものすべて自分たちで担うという方法で仕事をされていて、このような地道な作業は一人一人に大きな心持がないと取り組めないものだと思った。さらに、ひとりひとりが意識的に取り組むことによって、周りと協力しながら進めて行けるものなんだと感じた。
●今回国文学マーケティングを履修したことで、社会で働くかたからリアルな視点で働くとはどういうことかをこの授業で学べた。特に叶匠壽庵人事部角田部長の、「人を楽しませるにはまず自分が楽しめないといけない」という言葉は、今後の就職活動の軸として心に刻みたいくらい刺さった。この言葉を最初に聞いた時、頭ではなるほどと納得しながらどこか実感が湧かず、イメージとしてはふわっとしていた。しかし実際にすないの里に訪問してみて、その意味を理解した。ただ仕事を楽しんでいるのではなく、社員それぞれが任せられた役割を全うしつつ、それ以上に里や、里を訪れる顧客に対し自分ができることはないかと動いていた。その上で楽しいと思えるかが大事だと感じた。
●本講義で印象に残ったことは叶匠寿庵の角田部長を含め、資生堂や卒業生の話、深澤先生の実体験を話していただけたことで、講義を行う教師ではなくどこにでもいるような普通の人であると感じられました。就職活動を行う中で大企業、専門職など働いている人が凄く特別な人に自分にはなりえないような大人だと感じられますが、その人も普通の人で自分と同じように悩み考えている人間だと認識でき、そのことから「自分を変に着飾らなくていい」と言われているように思いました。以上のことから本講義を受けて、「自分らしく働ける場所」「無理のない背伸び」「自分の本当の軸」を大切に着飾らなくていいような業界や業種を見つけていきたいと思いました。
●見学をしていく中で様々な従業員の方と会って、お話を聞く機会があったことでただ売れる商品を作ることが目的ではなく、良い商品を素材からこだわって本当に良いものを作っていくことが重要であることを学びました。そして寿長生の里の居心地が本当に良く、その場にいた従業員の方全員が明るく生き生きしていました。他の企業にはない叶匠寿庵の魅力であると感じました。
●叶匠寿庵長生の郷に訪問させていただいて、叶匠寿庵の自然に対する想いやお菓子へのこだわりを肌で感じることができました。梅や柚子を栽培してお菓子に使っていたり、ヤギを飼育していたりしていて自然を大切にしていました。私が長生の郷に訪問して一番印象に残っているのは陶芸体験です。陶芸をするのは初めてだったのですが、わかりやすくやり方を教えていただいたので短時間で自分の好きな形に形成することができて貴重な経験をさせていただきました。葉っぱや木の実で模様を付けられるのも斬新でした。
●印象に残ったのは「叶匠寿庵」さんについての活動です。企業研究となると表面上のことを見がちで、その情報だけで分かった気になっていました。しかし、深堀すればするほど一企業としてではなく会社を作る人の顔が見えてきてすごく素敵な会社だと感じました。企業研究や業界研究についての捉え方も変わった気がします。叶匠寿庵さんについて活動をした後に、合同会社説明会に参加する機会があったのですが参加後に選考参加に希望するか判断基準がお話してくださった方の人柄や会社の雰囲気でお返事していて、人柄がよく全員で会社を盛り上げている叶匠寿庵さんを見た後だからこういった選び方になったのだろうと感じました。
●今回、西垣さんのお話を聞いてから自分の意識が変わったように感じます。三越で働くなかで、お客様の家族関係や何のために来店したのかなどお客様の事情を考えて接客するようになりました。これは三越などの百貨店だけではなく他のアルバイト先にも生きるのでもっと考えながら働こうという意識にさせられました。1日でしたが、多くの働く人の姿をみて自分の将来像が少し見えたことがいちばん良い経験になったといえると思いました。