福祉を超えた緩やかな共生
<指導教員>山根 純佳
<発表日時>2024年2月29日
<発表場所>報告書
山根ゼミでは今年度、多世代?老障共生型の共生空間として神奈川県愛川町にある社会福祉法人愛川舜寿会運営、春日台センターセンターを訪れ、「緩やかな共生」をテーマにフィールドワーク?聞き取り調査を実施する。日程は7月18日(水)他を予定している。前期授業で学生一人一人が「共生」のコンセプトを設定し、春日台センターセンターの認知症グループホームと障害児の放課後デイサービス、グループホームと近隣の子どもたちの遊び場、空間的つながりがどのような共生を生み出しているのかを考察する。
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2023年度

本ゼミナールでは、社会福祉法人愛川舜寿会が運営する「春日台センターセンター」にてフィールドワーク(観察?聞き取り調査)を実施し、報告リーフレットを作成した。
「春日台センターセンター」は、神奈川県合川町のかつてスーパーマーケットと商店街があった街の中心部に、高齢者デイサービス、高齢者グループホーム、放課後デイサービス、コロッケ屋?駄菓子屋、学習スペース、障害者就労のコインランドリーなど多世代が交流できる共生空間である。建物の横には広場があるため、日中はデイサービスの利用者が、放課後には幼児付れの親子や小学生が遊びに訪れる。また建物内には、コモンズルームといって誰もが入ることのできる空間もあり、多くの小学生が遊びに来ている。
本ゼミでは、高齢者、障害者、子どもたちが共に同じ空間を過ごすことでどのような交流が起きているのかを観察調査と聞き取り調査を実施した。
春日台センターセンターは子どもたちにとっては、自宅とも学校とも違う第3の居場所として機能している。違う学校の子どもたちが交流したり、多学年で遊ぶ姿もみられる。デイサービスの横で遊ぶ子どもたちが大声を出して走り回るとスタッフや高齢者が注意するといったやりとりも見られる。子どもにとって高齢者は完全な「他者」ではなく、その空間を共有するメンバーとして認識されている。また春日台センターセンターのスタッフも、子どもたちにとってはその場を見守る大人として家庭とも学校とも違う「安心」を与えている。
また調査では障害児の学童と高齢者デイサービスのスタッフにもインタビューを実施した。ここで働くスタッフにとっても複数の事業所が合体した多機能施設では、スタッフ間の交流?コミュニケーションが可能になっている点で、職場を超えた「居場所」として機能していることがわかる。
以上の調査結果をリーフレットとして完成させた。リーフレットは春日台センターセンターに置いてもらい、センターの見学者などに配布していただく予定である。