山根 純佳(人間社会学部人間社会学科教授)
(社会学?ジェンダー論)
『挑戦するフェミニズム─ネオリベラリズムとグローバリゼーションを超えて─』
編者:上野 千鶴子?江原 由美子 編
出版社:有斐閣(2024年8月)
フェミニズムは何と格闘し,何を獲得してきたのか。資本主義が変容した社会で今起きている新たな課題とは。労働と再生産,家父長制,ケア,国家と女性の権利などの論点を現代的視点で再考し,次の理論形成へ向けて,第一線の研究者が集結。渾身のメッセージ。
■著者より
日本のフェミニズム研究を支えてきた研究者が、21世紀のフェミニズムの期待と課題を論じています。私は「ケアの再公共化とフェミニズムの政治 福祉国家?ケア?新自由主義」という章を書いています。
■目次
序 章 今フェミニズムは何を議論するべきなのか
─グローバリズムとネオリベラリズムを超えて 江原由美子
第1章 再生産費用の分配公正を求めて
─家父長制と資本制?その後 上野千鶴子
第2章 グローバル資本主義と再生産領域の金融化
─「フェミニズムの相貌を気取る新自由主義」を異化するフェミニズムを 足立眞理子
第3章 資本主義批判としてのフェミニズム
─マルクス主義フェミニズムを振り返る 伊田久美子
第4章 生産中心主義批判から,リベラリズムとの対抗へ
─第二波フェミニズム理論はいかに継承されてきたか 岡野八代
第5章 「男性稼ぎ主」型が命と暮らしを毀損している
─社会政策の比較ジェンダー分析による洞察 大沢真理
第6章 ケアの再公共化とフェミニズムの政治
─福祉国家?ケア?新自由主義 山根純佳
第7章 女性の貧困の再考察─長期時系列データから 阿部 彩
第8章 女性労働のゆくえ
─能力発揮をフェミニズムはどのようにとらえるか 金井 郁
第9章 フェミニズムと戦争?軍隊
─21世紀の新たな難問 佐藤文香?児玉谷レミ
第10章 フェミニズムの新自由主義化に抗う─女性解放の現代的課題 三浦まり