山根 純佳(人間社会学部人間社会学科教授)
(社会学?ジェンダー論)
『岩波講座?社会学 第8巻 医療?ケア?障害』
編者:岸 政彦?山根純佳?前田拓也 編
出版社:岩波書店(2025年3月)
医療?障害をケアの観点を踏まえて検討する新たな領域の成果。制度史を扱いつつ、病や障害概念の変遷、当事者の経験を分析する。
■著者より
大学院生向けとして作成しているシリーズですが、学部生でも面白く読める部分もあります。家族が抱えるケアの問題、福祉分野に関心のある方ぜひ開いてみてください。
■目次
Ⅰ 「ケア」の時代
患者の「生」の固有性に開かれるために ─ 看護職の戦略的限定化 三井さよ
ポスト診断時代における認知症の社会学 ─ 認知症の「進行」への向き合い方をめぐって 井口高志
「脱家族」論とその後 ─ 障害のある人と家族 土屋葉
過渡的なプロジェクトとしての〈回復〉論 ─ 『摂食障害の語り』より 中村英代
Ⅱ 社会的なものとしての「障害」
ディスアビリティ解消の論理 星加良司
障害者運動と社会学 ─ コミュニティとアソシエーションの最適解、あるいは解放と技法の弁証法 深田耕一郎
カミングアウトにおける認識論的課題 ─「見えない」障害が映し出す社会の構造 飯野由里子
ニューロダイバーシティの戦術 ─ 自伝における脳と神経 浦野茂
Ⅲ 「医療」と制度の歴史
医療化のレトリック 美馬達哉
ハンセン病療養所の歴史社会学 ─〈アサイラム/アジール〉と自由 有薗真代
近現代日本における精神医療供給構造の歴史社会学 後藤基行
OVERVIEW
二〇〇〇年代以降の医療?ケア?障害の社会学の展開 山根純佳/前田拓也