名所旧跡プロジェクト
名所旧跡プロジェクト

文学ゆかりの名所旧跡を巡り、作品の生まれた土壌を体感する
作品ゆかりの名所旧跡を2泊3日の研修旅行で巡ります。
コースの検討や勉強会などの事前学修を経て、文学が生まれた地を実際に訪れることにより、地理風土を体感し、人々の暮らしを理解して、文学に内在する美を発見します。研修旅行で見聞した内容を踏まえて研究発表を行い、関連分野への興味につなげます。
2024年度研修旅行
—名古屋?伊勢?鳥羽を巡る—
1日目はヤマトタケルの故地を訪問。古事記?日本書紀に記された悲劇の皇子の生涯に思いを馳せました。
2日目は天照大御神を祀る伊勢神宮に参拝。荘厳な雰囲気に身を置き、古代の神話や信仰を肌で感じました。
3日目は遊覧船で鳥羽湾をクルージング。万葉びとの愛した風光を追体験しました。
1日目 |
東京駅(集合)ー 名古屋駅 ー 熱田神宮 ー 蓬左文庫?徳川美術館?徳川園 ー 名古屋駅周辺で懇親会目 ー 名鉄イン名古屋駅前(泊) |
2日目 |
二見興玉神社?夫婦岩 ー 伊勢神宮(外宮)?せんぐう宮 ー おはらい町?おかげ横丁(昼食)ー 伊勢神宮(内宮)ー 三交イン伊勢市駅前(泊) |
3日目 |
斎宮歴史博物館?斎宮跡?いつきのみや歴史体験館 ー 鳥羽駅 ー 鳥羽湾めぐりクルージング(ミキモ目ト真珠島)ー 名古屋駅 ー 東京駅(解散) |
熱田神宮 —日本武尊(ヤマトタケルノミコト)を祀る神社—

熱田神宮は愛知県名古屋市熱田区にある、日本武尊の所持していた草薙剣を祀る神社です。日本武尊は第12代景行天皇の皇子でヤマト政権の全国統一に貢献しましたが、軍旅の途中で悲しい最期を遂げた悲劇の英雄です。
三種の神器の一つである草薙剣にちなんで、古来、多くの刀剣が奉献され、草薙館に展示されています。
1日目夜?懇親会

夜の懇親会では、エビフライや手羽先など名古屋名物に舌つづみ。初めは名前も知らない同士で、研修旅行前はぎこちなかったのに、懇親会ですっかり打ち解けて愛称で呼び合うようになりました。
二見興玉神社?夫婦岩 —伊勢神宮参拝の前に身を清める霊場—

二見興玉神社は三重県伊勢市二見町にある神社です。祭神である興玉大神は、天照大御神が二見浦に来た時、海上の厳島に顕現して出迎えた神です。夫婦岩は海上の厳島の鳥居に見立てられ、間に張られた注連縄は神の世と俗世の結界とされています。
伊勢参宮の際は、二見浦で不浄を祓い身を清めることになっています。
伊勢神宮 —「一生に一度は伊勢参り」—

伊勢神宮には、天照大御神(皇室の祖先神)を祀る内宮と、豊受大御神(天照大御神の食事を司る神)を祀る外宮とがあります。
古くから信仰を集める伊勢神宮ですが、江戸時代には「一生に一度は伊勢参り」という考えが広まり、「お伊勢参り」には観光としての要素もありました。
斎宮歴史博物館 —斎宮の歴史と文学を知る—

斎宮とは伊勢神宮に仕える未婚の皇女で、その居所をも斎宮と呼びます。万葉集?伊勢物語?源氏物語など、斎宮をめぐる文学は数多くあります。その歴史や文学を展示により分かりやすく伝えてくれるのが、三重県多気郡明和町にある斎宮歴史博物館です。
鳥羽湾めぐりクルージング —万葉集に歌われた風光—

鳥羽駅から徒歩10分のマリンターミナルから鳥羽湾めぐりの遊覧船に乗りました。鳥羽の豊かな海では現在でも海苔や牡蠣などの水産養殖が盛んですが、万葉集には「海人」(魚や貝を採り海藻を刈り、製塩に携わる人々)の様子が歌われています。
2023年度研修旅行
—神話の故郷出雲?松江—
1日目は出雲大社?稲佐の浜など、国作り神話?国譲り神話の舞台となった地を訪れました。
2日目は荒神谷遺跡?出雲玉作史跡公園?加賀の潜戸など、古代出雲勢力とその文化を実感させる場所を見学しました。
3日目は八重垣神社や神魂神社など松江の神社を巡り、最後に松江城に行きました。
1日目 |
羽田空港(集合)— 出雲空港 — 出雲市駅 — 古代出雲歴史博物館?出雲大社 — 日御碕灯台?日御碕神社—稲佐の浜 — 出雲市駅付近で懇親会— ツインリーブズホテル出雲(泊) |
2日目 |
荒神谷史跡公園 — 玉造温泉(出雲玉作資料館?玉作湯神社など)— 加賀潜戸 — 佐太神社 — 揖夜神社?黄泉比良坂 — 松江エクセルホテル(泊) |
3日目 |
八重垣神社 — 六所神社?出雲国府跡 — 真名井神社 — 神魂神社 — 八雲立つ風土記の丘 — 熊野大社 — 松江城 — 出雲空港 — 羽田空港(解散) |
古代出雲歴史博物館 —出雲大社に行く前に見学するべき博物館—

出雲大社と隣接する古代出雲歴史博物館には、出雲大社参拝前に行くのがおすすめです。歴史や考古学、神話や伝承など、様々な観点から出雲大社を知ることができます。
出雲大社 —出雲神話の主人公?大国主神を祀る神社—

出雲大社は島根県出雲市にある、大国主神を祀る神社です。大国主神は地上世界?葦原中国の「国作り」を行った神ですが、せっかく完成した国を、天照大御神の子孫に譲る「国譲り」を強いられます。
これが古事記?日本書紀に記される国作り神話?国譲り神話です。
稲佐の浜 —国譲り神話の舞台—

出雲大社の西側にある海岸。天上世界?高天原から降臨したタケミカヅチ神がこの海岸で大国主神に「国譲り」を迫ったという場所です。旧暦10月の神在月には全国の神々が出雲に集まるとされていますが、八百万の神々を迎える神事が行われるのもこの海岸です。
1日目夜?懇親会

「名所旧跡プロジェクト」は、国文学科の2年生以上の学生であれば誰でも履修できる科目です。授業の情報や、漫画?アニメなど趣味の話、就職活動やインターンシップなど、学年を越えて様々な話題で盛り上がりました。
加賀潜戸 —佐太大神の生まれた洞窟—

加賀潜戸は島根県松江市にある海蝕洞窟です。古事記?日本書紀には描かれず、出雲国風土記にのみ登場する佐太大神の誕生した洞窟です。ライフベストを着用して遊覧船で中に入ることができますが、鬼気迫る場所で、この地を訪れた小泉八雲も「デーモンがいる」と述べています。
揖夜神社と黄泉比良坂 —黄泉国への入り口—

古代の出雲国の中心地は意宇郡(島根県安来市から松江市にかけての地域)にあり、意宇郡にある六つの神社は「意宇六社」と呼ばれています。松江市東出雲町揖屋にある揖夜神社はその一つです。揖夜神社の近くにある黄泉比良坂は、古事記に登場する異界?黄泉国への入り口とされている場所です。
八重垣神社 —縁結びの水占い—

「意宇六社」の一つである八重垣神社は、地上世界で最初に結婚した神であるスサノヲとクシナダヒメを祀っています。奥の院にある鏡の池は縁結びの水占いで有名です。水に浮かべた紙に硬貨を載せて、早く沈めば早く結ばれ、遅く沈めば結ばれるのも遅くなるというもので、皆、占いに夢中になりました。