竹内ゼミ 『全国読書調査 2024 年版』の紹介
『女子目線』のデータサイエンス:「全国読書調査 2024 年版」の紹介
※行動計量学ゼミ(竹内ゼミ)では、女子目線で気になった統計調査?統計データを読み取り、現代社会の動向?傾向を紹介していきます。
第 20 期生 田野美珠稀
皆さんは最近、本を読んでいるでしょうか。小説、漫画、雑誌、何でも構いません。そして、その媒体は紙ですか。それとも電子機器ですか。一年で何冊の本を読みますか。私は昔から小説を読むことが好きで、今も通学時間は文庫本を片手に電車に揺られています。ですが近年では「読書離れ」という言葉のとおり、本を読む人は減少傾向にあります。その現状を詳しく知りたいと思い、今回は読書量に関する調査結果を調べてみることにしました。
今回紹介する調査は、HUSTAR 株式会社のメディアスタディチェーン(https://studychain.jp)編集部が 2024 年 6 月 9 日から同年 7 月 5 日で実施しました「全国 47 都道府県「世代別全国読書調査 2024 版」という調査です。調査対象は 10 代から 50 代、サンプル数は 1,450 サンプル、調査方法はインターネットリサーチで行われました。今回は記載されている調査結果のうち、特に気になった部分を抜粋して紹介します。
まず世代別の「読書をする頻度」についてですが、「全く読書しない」と回答した 10 代は 60.8% と半数以上でした。同様に、20 代が 45.2% と約半数が読書をしませんでした。また 30 代以降は「月に 1 回程度」の割合が増えているものの、どの年代においても「毎日読書する」と回答する人は、全世代で 4% 未満でした。
次に読書をする際に使う媒体について、2019 年度のアンケート結果と比較すると、「紙媒体」が数ポイント減っていますが、「(紙媒体と電子書籍の)両方で読む」人の割合が 15% から 17.2% に増えています。また、コロナの影響により普及したリモート勤務や通信教育などのライフスタイルの変化によって読書時間に変化があったかという項目では、「増えた」と回答した人が 41.2% という結果が出ています。ただ、「読書自体をほとんどしない」人が 29.2% もいるという現状もあります。
「読書をする理由」に関しては、「自分自身の成長が目的」が 45.3% と最も高く、他には「知識の向上が目的」が 33.8% や「単に好きだから」が 30.9% という理由が続きます。しかし「全く読まない」と回答した人が 41.9% と多数であることも分かります。加えて「最近 1 か月で読んだ本の種類」では、「ビジネス?経済」が 39.8% と高く、「小説」は 36.7% と 2 番目に多くなりました。ただ、ここでも「全く読まない」と回答する人は41.9% と高い位置にいます。
以上のことから、やはり読書離れは現実的に起きている問題なのだと改めて認識するとともに、電子書籍での読書も増えていることが分かりました。冒頭でも述べた通り、私は読書が好きなので、たくさんの人にいろいろな本に触れてほしいと思います。紙媒体であれ電子書籍であれ、読書をすることで得られる感情や経験は唯一無二です。読書をしない方も、最近は読んでいない方も、今こそぜひ一度本を手に取ってみてはいかかでしょうか。
その他、調査の図表、詳細等につきましては下記の参考文献をご参照ください。
参考文献:スタディチェーン編集部(2024)
【調査レポート】全国 47 都道府県「全国読書調査 2024 年度版」、
https://studychain.jp/media/educationnews/14367-2/
(最終確認日:2025/04/19)。